梨作りの365日 – 真田園の年間作業
真田園では、夏の収穫期以外にも一年を通じて梨の木と向き合い、様々な作業を行っています。
100年以上受け継がれてきた技術と、現代の知恵を融合させた真田園の梨作りの一年をかんたんにご紹介します。
冬(11月〜2月)- 来年への準備
土づくり・施肥(11月下旬〜12月)

収穫が終わると、まず土づくりと施肥を行います。真田園では魚粉、種粕、堆肥等の有機肥料を施しています。特に菊井さんちの堆肥を使わせてもらっており、これらは土で数ヶ月かけてゆっくりと分解され、翌春に効果を発揮します。
剪定・誘引(11月下旬〜3月)

冬の間に、翌年果実をつける枝などを残し、古い枝を落とす剪定作業を行います。梨の花芽の付き方、枝の太さなど、来年の夏の様子を頭に描きながら、枝を切り、梨棚にしばっていきます。
剪定時に残した枝を、縦横に張り巡らされた棚に、麻縄等で括り付けて行く「誘引」作業も重要な工程です。この作業が翌年の収穫量と品質を左右します。
春(3月〜5月)- 花から実へ
摘雷・摘花(3月〜4月上旬)

春の訪れとともに花芽も膨らみます。誘引した枝についている花芽をもいで、枝に見合った数にします。花芽は少なめの方が大きな果実に育つため、この作業が重要です。
人工交配(4月中旬)

満開に咲いた花に、種類の違う自家製の花粉を、筆でポンポンと軽く付けます。種類の違う花を、室に入れて早めに咲かせて、花粉にします。咲きそろった花を、しごいて粉々にしてから、水分を飛ばして生花粉を乾燥させます。
摘果(5月)

交配の後、小さな実が一花房にいくつかできてきます。一番よい実をひとつ選んで残します。沢山実った中から、大きくて形のいい果実を残していく作業を「摘果」と呼びます。
小袋掛け(5月)

小指大になった実に病害虫よけの袋を掛けます。また、お日様があたりすぎると、きめの粗い梨ができますので、その予防もします。
初夏(6月〜7月)- 実の保護と管理
二重袋掛け(5月〜6月)

小袋掛けの後、大きな袋(二重に貼り付けた袋)を掛けてゆきます。梨の種類によって袋の色も分けています。この丁寧な袋掛け作業が、真田園の梨の美しい外観と品質を守ります。
ワラシキと潅水(7月〜8月)

真夏の暑さよけのため、木の周辺に藁を敷きます。水分補給は、園内に巡らしたホースで行います。
病害虫防除(6月〜8月)
高温多湿の時期には、特に病気や害虫の発生が多発します。特に二十世紀梨は、黒斑病に大変弱い性質がありますので、必要最小限に抑えながら農薬散布も行います。
夏〜秋(8月〜10月)- 収穫の季節
収穫(8月〜10月)

- 愛甘水梨(8月上旬〜お盆頃)
- 幸水梨(お盆過ぎ〜8月下旬)
- 二十世紀梨(9月上旬〜9月下旬)
- 豊水梨(9月上旬〜9月下旬)
- 南水梨(9月下旬〜10月上旬)
樹上完熟にこだわる真田園では、最高の甘みと歯ごたえを実現するため、木の上でじっくり熟させてから収穫します。
真田園のこだわり

有機質肥料による土づくり
代々受け継ぐ赤土に、米ぬか・油かす・石灰質資材をブレンドした独自の土づくり。微生物の働きを活かした”生きた土”が果肉に深いコクを与えます。
減農薬栽培
袋掛けと天敵昆虫の力で農薬を最小限に抑え、子どもも皮ごと丸かじりできる安全な果物づくりを続けています。
樹上完熟
市場流通を考慮してやや早採りされることが多い中、真田園では木になったまま完熟するまで待って収穫します。夏の日差しをたっぷり浴びせ、糖度・香り・歯ごたえの三拍子が揃った最高のタイミングで一つ一つ丁寧にもぎ取ります。
このように、真田園の梨作りは一年を通じて手間暇を惜しまない作業の積み重ねです。それぞれの季節に適切な作業を行うことで、皆様に愛される美味しい梨をお届けしています。
梨には収穫・出荷できるようになるまで様々な工程があります。夏の暑い時も冬の厳寒期も、梨の木一本一本と対話し、大阿太高原の豊かな自然と向き合い、一つ一つの作業を丁寧に行うことで、風味豊かで本当に美味しい梨が出来上がります。
基本情報
真田園へのご来園やお問い合わせの際は、下記の情報をご参照ください。
園名 | 真田園(さなだえん) |
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所在地 | 〒638-0831 奈良県吉野郡大淀町佐名伝855 |
連絡先 | TEL/FAX: 0747-52-3498 Email: sanadaen4174@outlook.jp |
営業時間 | 9:00-17:00 〈収穫期無休〉 |